歯茎から膿が出る!考えられる原因と治療法は?
歯茎から膿が出る場合、いくつかの原因が考えられますが、膿が出るということは化膿を起こしているということなので、状況に応じた治療が必要になります。
歯茎から膿が出る場合に考えられる原因と治療法について見ていきましょう。
1.歯茎から膿が出る原因
◆歯周病
歯周病は歯の周りの組織が細菌感染によって炎症を起こし、破壊されていく病気です。
歯周病でも軽度のうちは軽い出血程度の症状で済みますが、進行していくと歯茎から膿が排出されることがあります。
このようなことから、歯周病がひどくなって歯茎から膿が出る状態を「歯槽膿漏」と呼んでいました。
◆歯根が折れてしまっている
歯根にヒビが入ったり、割れたりすると、そこから細菌感染を起こして化膿することがあります。
このような状態は、差し歯が入っている歯に起こりやすい傾向があります。
◆歯根に膿が溜まっている
神経を過去に抜いた歯や神経が壊疽している歯の場合、内部に細菌が繁殖することで歯根の周囲に膿だまりを作ることがあります。
膿だまりが大きくなると、歯茎から膿が排出されてくることがあります。
◆歯根に穴が開いている
虫歯の進行や、壁が薄くなった歯に差し歯の土台を入れたことによって歯根に穴が開くと、そこから細菌感染によって膿を溜めることがあります。
◆親知らず周囲の炎症
とくに、横向きや斜めに埋まっている親知らずの場合、歯茎の溝が深く、そこに細菌が感染、化膿をして膿が出ることがあります。
◆子どもの場合
乳歯のある子どもの場合、乳歯の虫歯がひどくなって歯根に膿を溜める場合や、生え替わりが近づいて永久歯が乳歯の歯根を溶かすことで細菌感染を起こし、歯茎に膿の袋を作ることがあります。
歯茎から膿が出る場合の治療法

歯茎から膿が出ている場合には、必要に応じてまず消毒や抗生剤の投薬などを行います。その後は主に次のような方法で治療を行います。
何が原因になっているかはレントゲンで診断が可能です。
◆歯周病治療
歯周病が原因の場合には、歯の周囲に蓄積した歯垢や歯石を徹底的に落とす歯周病治療を行わなければ、仮に一旦症状が引いても再発してきます。
歯周病を悪化させないためには、症状のあるなしに関わらず、治療を定期的に受けることが大事です。
◆根管治療
歯茎から膿が排出されていてレントゲンで歯根周囲に膿が溜まっているのが確認された場合、放置すると悪化するため、根の治療(根管治療)が必要です。
◆抜歯
歯根にヒビが入っていたり割れていたりしている場合には、通常歯を残すことは難しく、ほとんどの場合で抜歯になります。
親知らずが原因で膿が出ている場合も、放置することで感染が周囲に広がり、全身の感染を引き起こすこともあるため、抜歯が推奨されます。
◆子どもの場合
子どものケースで膿の原因の歯が乳歯である場合、生え替わりまでにまだまだ年数がかかるという場合には根の治療を行うこともありますが、生え替わりが近い場合には抜歯か、そのまま様子を見ることもあります。
歯茎から膿が出る場合にはまず歯科を受診しましょう
歯茎から膿が排出される、もしくは歯茎に膿の袋ができている場合、セルフケアで治るということはまずありません。たとえ膿の袋がつぶれたとしても、その原因は内部にあるため、また再発しますし、内部で骨の破壊が進んでしまう恐れがあります。
そのため、歯茎から膿が出ている症状がある場合にはなるべく早めに歯科を受診するようにしましょう。