ドクターインタビュー

第3回「インプラントに関するよくある質問」

駒込駅前デンタルクリニックのドクターである松永先生と河合先生のインプラント治療に関しての思いや取組みを、インタビュー形式でご紹介しています。

インプラントを入れた後のケア

インプラントのケアで大事なことはどんなことでしょうか?

松永先生

【河合先生】悪の親玉のPg菌(歯周病の主な原因菌)が出てくるとまずいですね。Pg菌がつかないようにするためには、歯科医院で定期的にインプラント周囲のバイオフィルム(細菌の塊)をなるべく取り除くことが大事です。歯石がついたから取る、というだけではダメで、バイオフィルムまでケアするということをやっていかないとダメです。「歯石がついてないのだからクリーニングしなくていいでしょう」、ではないんですよね。実は僕も前歯も含めて2本インプラントが入ってるんですけど。

【松永先生】へぇ!

【河合先生】自分で入れてみた感想としては、インプラント自体は神経がないので、カンカンカンと叩いた時に若干鈍い感覚ではあるけど、骨にはきちんと振動が伝わるという感じです。りんごやナッツなど、硬いものを食べている時も違和感はないですし、使い勝手としてはとても良いと思います。体験してみてやっと「こんな感覚なんだな」と、患者さんの気持ちが分かりましたね。自分も前歯にインプラント入ってますけど、やはり前歯は特に審美的にデリケートなところですので、前歯のインプラントの時には「きれいに仕上げる」というのは、確実に目標として持ってやらないといけないですね。普段からそこは注意してやっています。

抜歯をして同時にインプラントを行う方法

抜歯即時インプラントについて詳しく教えてください

河合先生

【河合先生】抜歯即時というのは抜歯をして同時にインプラントを行うという手法です。僕の患者さんの9割は抜歯即時で治療しています。その理由として、オペが一回で終わるということが挙げられます。通常の方法だと、一度歯を抜いて、骨が治るのを3ヶ月待ち、でもその間に骨がなくなってしまったりして骨を足す手術をし、その後骨ができるのを6ヶ月間待ち、インプラントを埋め、骨とくっつくのを待つ・・ということをやっているうちに1年もかかってしまいます。そしてそこから被せ物ですけど、仮歯を入れて調整して、ということをやっていると、結局最終的に治療が終わるまで2年近くかかってしまうこともあります。

【松永先生】そうですよね。

【河合先生】アメリカで学んでいたリオンのところでは、ほぼ抜歯即時で、3ヶ月でインプラントが終わり、被せ物を入れても4ヶ月で終わるので、とても患者さんにとってもオペが1回という楽さ、治療も早く終わるということでメリットが大きいんですよね。だから僕も抜歯即時をメインで行っています。

【松永先生】河合先生は、アメリカや中国でものすごい症例を経験されていることもあり、素晴らしい手技をお持ちなので、うちでは、河合先生には噛むところがないような難しい症例を担当していただいています。でもやっぱり、見た目の綺麗さやその後のメインナンスのことを考えると、特に前歯にとっては、抜歯即時インプラントというのは必須のテクニックですよね。

【河合先生】大手のインプラントメーカーも抜歯即時インプラントをどんどん出してきてますし、流れはそっちに行ってますね。

【松永先生】僕が使っているザイブインプラントや河合先生がメインで使っているオッセオフューズなんかは元から抜歯即時に適した形になっているので、その場の状況に応じて対応できる優秀なインプラントかなと思います。

【河合先生】そうですね、テクニック的なものがあるので、初期固定を得るためにはそういうインプラントを選ぶ必要はあると思います。

【松永先生】僕は、インプラント学会で指導医をしていたり、ニューヨーク大学のセミナーで日本人向けに教えていたりするんですけど、やはり抜歯即時に関してはぜひその辺が得意な河合先生に補っていただきたいなと思っています。

【河合先生】はい、お任せください。

抜けた歯を放置するとどうなる?

インプラントを入れないで放置すると、どんな影響がありますか?

松永先生

【河合先生】インプラントを入れないで放置しとくと、噛み合わせが崩れてしまうということがまずあります。それに加えて、歯を失った部分の骨がなくなる、ということが起こってきます。これは入れ歯を入れて様子を見る、ということをした場合も同様です。それであまりに放置してしまうと、いざインプラントを入れるということになった場合、被せ物の長さが長くなってしまって見た目が悪くなってしまったり、清掃性が悪くなってしまったり、ということが起こります。ですので、骨を良い状態でキープしておく、という意味でもインプラントを早く入れることは大事です。

【松永先生】患者さんはどうしても、歯医者で治療すると「10年くらいは持つんじゃないの?」、と思いがちですが、ブリッジなんかは7年で50%が脱落するというデータがありますし、入れ歯だと隣の歯が虫歯になる確率が4年で95%というデータがあります。このように既存の治療だと周囲の歯がどうしても悪くなりやすかったのが、インプラントを入れることによって噛み合わせの力が分散されて、揺れていた両隣の歯の動揺が止まったりとか、純粋に他の歯を救ってくれるような治療ができるようになったのはいいところですね。

【河合先生】それは大きいですよね。特に、他の歯にも何かしら問題を抱えている方の場合、ブリッジや入れ歯をすると、そこにさらに負担をかけてしまい、結果的に歯の寿命自体を短くしてしまいます。でもインプラントだとそういう悩みは全て解消して、逆に他の歯の延命につながるので、そういった意味でもとても有意義な治療法だと言えると思います。

価格や安全性について

インプラントが高額な理由を教えてください

河合先生

【河合先生】しっかりしたメーカーのものを選んでいる、ということがまずあります。やはり、良い治療をしようとなると、世界的にも信頼性が高く、質の良いメーカーを選ぶ必要があります。

【松永先生】それに伴うドクター側のテクニックというのも必要になりますしね。薄利多売なインプラントもありますけど、必要な要件を満たしていないものも多いです。

【河合先生】そういうのを使うと、後でトラブルが起こった時に部品がないとか、メーカーがどこのものかわからずに、後のトラブルシューティングがすごく大変になってしまいますしね。

【松永先生】そうなんですよね。だから有名メーカーを選ぶ、ということになるんですが、そうなると材料費は高くなってしまいますね。あと、安いメーカーだと、ノルマというのがあるみたいなんですけど・・それって医療としてやってはいけないことだと思うんですよね。患者さんとしては安ければ安いほどいいというのはあると思うんですけど、やはり治療を行う側からの視点で見ると、値段と質は比例する、という部分がかなりあります。

インプラントの安全性について教えてください

河合先生

【河合先生】インプラントの大きな事故として2つ挙げられます。下顎の場合は神経損傷、上顎の場合は上顎洞へのインプラントの突き抜けです。ですが、このようなことは事前にCT撮影をすることで避けられます。口腔インプラント学会のガイドラインでも、インプラント前にC Tを撮影するように言ってますしね。

【松永先生】もう今の時代、CTを撮らずにインプラントというのはありえないです。昔は平面のパノラマレントゲン写真だけで行われていた時期もありますが、その時代だと、3次元的な解剖形態が正確にわからないので、神経からの位置などをある程度予測して、余裕を持った位置にインプラントを埋め込んでいましたが、今から考えるとだいぶ曖昧な話ですよね。

【河合先生】今でも神経からは2ミリ離すという基準はありますけど、実際骨がないケースだと2ミリないケースもありますから、どうしても近づかざるを得ないこともあります。

【松永先生】最近ではCTの精度が上がって、オペの精度も上がりましたよね。

【河合先生】シミュレーションもできますし、熟練していないドクターに対しても安全性という意味でもそういうのが必要ですね。全てのドクターにとってそのようなものが必ずしも必要となるわけではありませんけど、念には念を入れるという意味と、患者さんよりご要望があれば、いつでも対処できるようにラインナップは揃えてあります。その分のコストはかかってしまうとことはありますけど。

【松永先生】技術面では、うちの法人では半年に一回、豚の骨を使って全員で研修をしています。基本的には自分たちで判断できるようにすることが大事ですから。

【河合先生】やはり、神経損傷、上顎洞への迷入といったトラブルに対しては事前にCTでチェックした上で安全を期してやるのは基本ですね。

【松永先生】院内でCT装置を持っていることで、撮ってすぐにいろんな角度から見られるのがいいですね。昔CTが院内になかった時期は、CTが撮れる設備のある所までCTを撮りに行ってもらわないといけなかったので、患者さんにとっても面倒だった上に、余計にお金もかかってしまうなど、大変でした。

【河合先生】しかもCTセンターで撮ってもらうと、やたらでっかいCT画像になっちゃうんですよね。あと、医院に設置してある歯科用のコンビームのCT装置は被曝も少ないですし、体にも優しいですね。この辺のシステムも松永先生のところでは完備されていますので、いいですね。


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