歯茎からの出血、こんな場合は要注意
歯茎から血が出るという経験は、おそらく誰でも経験したことがあるでしょう。歯磨きの時に血がにじむということも特別珍しいことでもありません。そのため歯茎の出血というのは、ついつい軽く見られがちで、特に痛みがないと放置されてしまい、必要な時に必要な対処が行われず、さまざまな問題を起こすことがあります。
今回は歯茎の出血について、注意を要する場合についてご紹介していきます。
歯茎からの出血で注意を要する場合
歯茎というのは、歯の周囲に歯垢がたまると炎症を起こしてしまいます。そのため、少し歯磨きをサボっただけでも出血しやすくなるものです。ですが、それほど問題がない場合、歯磨きをしっかりと行うことで、2〜3日中に落ち着いてくることがほとんどです。
もし、次のような傾向がある場合、何らかの治療が必要な病的な問題が隠れている可能性があるため、早めに歯科を受診しましょう。
◆頻繁に出血する場合
◆一度出血するとなかなか止まらない場合
◆歯茎の腫れや痛みが強い場合
◆あちこちから出血する場合
以上のような症状に当てはまる場合、歯磨きだけでは治らないくらいに進行してしまった歯周病が起こっていたり、頑固な歯石が溜まっていたり、というような問題がまず考えられます。そのため、このようなことが原因になっている場合には、早めに歯石除去、歯の周囲の専門的な清掃が必要になります。
あるいは、歯周病が原因ではなく、血液疾患など、全身的な病気が原因になっている場合も考えられます。この場合には、特定の歯だけでなく、広い範囲で歯茎の出血が認められ、お口の中だけに限らず、例えば鼻血が出やすかったり、青あざができやすかったり、というようなことも起こりやすくなるでしょう。
歯茎から出血する場合の対処法
歯茎から出血がある場合、まずは次のことを試してみましょう。
◆歯と歯茎の境目の汚れをしっかりと取り除く
歯茎から血が出ていると、その部分になるべく触れない方がいい、と思われていることがありますが、それは違います。歯茎の出血の原因のほとんどは、歯の周囲に溜まった歯垢(プラーク)ですので、まずはそれをしっかりと落とさなければなりません。
ただし、出血しやすくなっている歯茎は炎症を起こしており、そのまま磨くと痛みを感じやすいため、なるべくやわらかめの歯ブラシを使って歯茎にあたらないよう、優しく磨くようにしましょう。そうすることで、多くの場合は2、3日もすれば症状が改善していきます。
◆歯科医院で歯のクリーニングをする
歯の周囲についている汚れが歯垢(プラーク)だけであれば、上記の方法でも落ち着いていきますが、歯垢が固まって歯石になってしまっていると、歯ブラシだけでは落とすことができず、炎症が持続してしまいます。そのため、このような場合には歯科医院で歯石とりのクリーニングを受ける必要があります。
多くの場合は上記の手段で出血がおさまりますが、改善することなく異常な出血が認められる場合には、医科の診断を仰いだほうが良い場合があります。もし気になる症状がある場合には、まずは当院までご相談ください。